野生黒蜂蜜「ハンティングハニー」
野生黒蜂蜜「ハンティングハニー」とは
ハニーハンティングは、国連とインド政府が森林保護と少数部族の保護を目的に行っている事業です。ハニーハンターが危険をおかし、高い木や岩山に登り、野生蜂蜜を採集しています。蜂蜜の黒い色は森の恵みをたっぷりと含んだ花々の花粉を取り除かずに、そのまま使っているからです。
ハンティングハニーの由来
ハンティングハニーはインド、Maharasutra州 Merghat(メルガート)産です。メルガートはインドのほぼ中央部デカン高原の奥地に位置します。マハラシュトラ州とマディヤプラディッシュ州との境界を挟んだこの地域では、原住民である少数部族の人々が古来からの方法で野生ミツバチの蜜を採取する仕事と農業を兼業して生活をしています。
この地域での野生蜂蜜採取の歴史は古く、紀元前にさかのぼります。1987年に発見されたマディヤプラディッシュ州ボパールの南20kmにあるビンベトゥカの岩の住居には、BC1万5千年〜1万1千年ごろの中石器時代の初期に描かれたというロックビーと呼ばれるミツバチのコロニーの絵と、蜜のハンティングの絵が壁画として残されています。
これまでのハニーハンティング
メルガートでハンティングされる蜜を作るのはロックビーと呼ばれる種類のハチです。別名Apis Dorsata(アピスドルサタ)という非常に大きい種類のミツバチです。
ロックビーは熱帯、亜熱帯地域の樹木の高いところ、25メートルから30メートルのところにコロニーを作り巣をかけます。また断崖絶壁の敵が近寄りにくいようなところの他、お城の城壁、民家などにも巣を書けます。ハンティングは夜行われることが多く、トラなどの猛獣や毒蛇に襲われることもあり、高い木や崖から転落して死傷することもある、危険な探検の様な仕事でした。
ハニーハンティングの現状
メルガートの野生ミツバチのハンターたちは、当初は国連開発計画(UNDP)が協力し、現在もKVIC(Khadi and Village Industories Commission)とC,B.R.T.I(中央ミツバチ調査訓練研究所)の指導に従い、衛生的に採取し取り扱うよう教育するためのマニュアルに沿って作業を行っています。
KVIC (Khadi Village Industories Commission)
ガンジーの考えに従って行われている仕事でインド国内の地方の貧困な部族を政府の政策として指導し、彼らが持つ伝統的な仕事で生産された製品の品質を高め、部族の人たちが生計を立てていく事が出来るように保護していく目的で結成されたプロジェクト
ハチが嫌う樹木や草から採った樹液などをスプレーし、防護服を着用するなどして安全な方法で日中にハンティングができるようになりました。採取した蜜は指導マニュアルに従い、指導員の教育監督のもと極めて衛生的に取り扱われ、指定の工場、指定の工程にて処理し保管されます。そして天然蜂蜜の国際規格にあるものだけが、研究所の分析結果証明書を付けて輸入許可となります。この研究所が発行する証明書はもちろん日本の政府によっても認められているものなので、輸入検査の際に有効です。その後プロジェクトの認定を受けた販売業者のみが、適正な価格で買い取り日本へ輸出することができます。
この様にして多くの人たちの手を借りて集められた希少なインドのハンティングハニーは、私どもシタァールによりこの度初めて日本に輸入されることとなりました。
森と緑の大地を守ります。
森林の野生ミツバチの蜜を人間が採取する事は、地球の環境保全にも役立ちます。蜜は中央蜜蜂研修研究所の指導に従った方法で、ミツバチ達の生命を奪わないよう、幼虫のいる範囲を残して採取されます。ミツバチは残された巣の一部を基にして何度も巣を復元しようとし、森の樹木や草花は、ハニーハンティングによって促されたミツバチの盛んな採蜜行動によって授粉され、結果的に本来の生態系が守られ、森は生き続け環境の保全につながるのです。